意識的に人間ウォッチングをしているわけではない。見るともなく見ているだけで、何となく楽しくなることがある。写真を撮りたいと思う人にも数多く出会うのに、勇気のない私はいつも人のいない方に向けてシャッターを切るばかりである。これは以前にも書いたことがあったか……。
ピンホールカメラだと素知らぬふりをしてシャッターを切ることができるはずなのだが、やはり後ろからの写真が大半である。むしろローライコードなどを構えて、堂々と正面から写す方がやりやすく感じる。おそらく自分は真下を向いて相手の視線を直接感じなくてすむからであろう。
これは横に止まった格好いいロードレーサーのお兄さんをまじまじと見るおじさん。あまりにも熱心に見ているので、思わずあわててオトピンを取り出して撮影した。